2つの契約形態を、ひとことずつ
準委任(時間単価、time & material):チームが費やした時間に対して支払います。最終的な費用は、実際にかかった時間で決まります。
請負(固定価格):開発会社が、決められた範囲を合意した金額で完成させることを約束します。範囲が変わらない限り、着手前に費用がわかります。
本当の問い:リスクを負うのは誰か
どのソフトウェアプロジェクトにも未知の要素があります。料金体系は、その未知の分を誰が支払うかを決めます。
準委任では、リスクを負うのはお客様です。ある機能に想定の3倍の時間がかかれば、請求も3倍になります。
請負では、リスクを負うのは開発会社です。見積もりが甘ければ、差額は開発会社がかぶります。だからこそ、真剣な固定価格の見積もりには時間がかかります。金額を約束する前に、仕事の中身を理解する必要があるからです。
準委任が向いている場面
範囲を本当にまだ決められないとき。初期の調査、プロトタイピング、技術的な未知の検証など。
保守や長期の月額契約のように、終わりを決めずに続く仕事のとき。
毎週の工数を確認し、優先順位を見直す時間と技術的な知見があるとき。
請負が向いている場面
リリースに何が必要かがわかっていて、おおまかにでも説明できるとき。
超えられない予算があるとき。シード前や自己資金で事業を進める創業者の多くがそうです。
会社の経営に加えて、開発会社の作業時間表まで管理したくないとき。
範囲が変わっても、固定価格を公正に保つには
範囲は必ず変わります。良い請負契約と悪い請負契約の違いは、そのときに何が起きるかです。
良い契約には、書面の変更手続きがあります。新しい要望は、誰かが手をつける前に説明・見積もり・承認されます。今その費用をかける価値があるか、次のフェーズに回せるかは、お客様が決めます。
悪い契約は、あらゆる変更を断るか、品質が落ち始めるまで黙って抱え込みます。
契約形態よりマイルストーンが大事
どちらの形態を選んでも、支払いは目に見えるマイルストーンに結びつけましょう。承認済みのデザイン、テスト用URLで動くビルド、そしてリリースです。
全額前払いにすると交渉力を失います。最後にまとめて払うと、開発会社にプロジェクトの資金を立て替えさせることになります。マイルストーンは双方を誠実に保ちます。
Sakuraの見積もり方
ご相談をいただいた後、範囲・スケジュール・価格を固定してお見積もりします。ご相談内容がそろってから2〜3営業日以内に、ほとんどのご提案書をお送りしています。
お支払いはマイルストーンに分けます。着手時に着手金、残りは納品に連動させ、作業開始前に全額をいただくことはありません。
プロジェクトの途中で範囲が変わった場合は、影響する部分を見積もり直し、費用と期間への影響をお伝えしてから進めます。
リリース後のSEO、マーケティング、継続的な開発は、必要な支援が見えてから別途お見積もりします。
かんたんな比較
予算の確実さ:請負
まだ定義できない仕事への柔軟さ:準委任
お客様側の管理の手間:請負のほうが少ない
想定外の請求のリスク:請負のほうが低い(書面の変更手続きがあることが前提)
著者について
Vladimir Kurilo
Sakura Agency共同創業者。プロダクトとビジネスを統括。
